入居前のキャンセル
★質問
転居を伴う転職に関する賃貸契約の相談です。
転職先から2月上旬に「3月から働いてほしい」と返事をいただき2月中に転居を済ましておかなければならず、県をまたぐ転居になるのですぐに物件探しをスタートしました。
2月中旬には仲介業者経由で物件を決めて審査となったのですが、その次の日に「物件のオーナーが他の方と話を進めてそちらが先に決めてしまった」と連絡を受け、実質決めた物件は破談になりました。
しかし後日にまた「先に決めた人がキャンセルした」ということで、私のほうに再び話が戻ってきました。
2月中に物件を決めなければならないことは仲介業者にもお伝えしていたので、私も「時間がない」と慌てて翌日くらいには重要事項の説明を受け、署名・捺印、さらに初期費用の振り込みも済ませてしまいました。
しかしもともと転居に対してとても不安感が強い性格もあり、また転居しなくてもよい就職先が見つかったこともあり、キャンセルしたい気持ちが強くなっています。
契約後のキャンセルは不可なこと、実質解約となってしまうことは理解しています。現在、手元に契約書がなく確認できないのですが、違約金は払わなければならないのでしょうか。初期費用も25~30万円近い大金でしたが、初期費用にプラスして違約金も払うことになるのでしょうか。
連帯保証人も取り決めて署名捺印までしてもらっており、そちらに迷惑がかかるのも不本意です。
仲介業者や不動産屋さんなど方々にご迷惑をおかけするのは本望ではないのですが、入居(鍵渡し)まで3日ほどしかなく困っています。どうすればよろしいでしょうか。お答えいただけると幸いです。
相談者様
相談内容を拝見しました。
ご存じのように「契約後のキャンセル」は法律的にはできません。契約が成立すると、契約内容に法的な拘束力が生まれるからです。それ故、契約が成立後は契約の解約となり、契約書の通り、解約の手続きを進めることが原則となります。
連帯保証人や不動産会社等に迷惑がかかることを心配されていますが、契約通りに解約するのであれば、特に迷惑について、心配する必要はありません。
連帯保証人に対しては、解約の手続き通りにすれば、何の影響もありません。また、仲介の不動産屋に対しても報酬は発生して受け取っていると思われますので、何の損害も発生していないはずです。
最も金銭的な被害を受ける可能性があるのは、賃貸人かと思われます。賃貸人は仲介手数料や広告費など、入居者が決まるまでに、一般的に家賃で言えば数か月分の費用をかけていて、初期費用として預かる費用の多くは残りません。礼金等、募集の条件にもよりますが、ある程度の期間入居してもらってようやくプラスになることも多いため、早期解約の場合、持ち出しになる場合もあります。
違約金に関してですが、契約書通りに支払うのが原則です。
通常は1カ月前に退去の告知をすることになっていると思いますがこちらはおそらく初期費用で既に1カ月分(現在でしたら3月末までの家賃)は支払っているでしょうから、すぐに連絡すれば、追加費用を支払う必要なく、間に合うのではないかと思われます。
他には短期解約の違約金が設定されているのであれば、こちらはその通り支払う必要があるかもしれませんので、契約書を確認下さい。
また、初期費用として支払っているものも敷金など、名目によっては返金されます。また、火災保険も保険によっては途中解約の場合、返金されるものもありますので、ご確認下さい。
今は引っ越しの時期ですので、早いめに連絡すれば、次の入居者がすぐに見つかるかもしれませんので、解約するなら連絡も早い方がいいと思います。
いずれにしても、契約は賃貸人と賃借人とで結ばれているものですので、契約通りに解約するのであれば、契約の当事者以外には何の影響もありませんので、心配される必要は特にありませんので、ご安心下さい。