不具合があるので家賃を減額してほしい
入居後の地震の度に部屋全体が変形しサッシ枠も変形した為かきっちりと閉まらない、鍵が破損し戸締りが出来ない、タンス、本棚、食器戸棚の破損、他色々有ります、このような場合、賃貸料の減額請求は、出来るのでしょうか。
相談者様
相談内容を拝見いたしました。
入居後の地震により、備え付けの家具等が破損等の不具合が発生していて、その場合、家賃の減額請求ができるか、という相談内容ですね。特に修復してもらうことは書かれておりませんが、難しそうな状況でしょうか?
家賃の減額相談はこちらの相談でも時々、寄せられています。
家賃は契約書に明記されている事項で、契約は賃貸人、賃借人双方の合意に基づいて内容が決められているものです。
それ故、その増減に関しては
①
基本的には賃貸人との交渉次第
それでも無理そうなら
②
裁判による司法判断になるかと思われます。
相談の文面からは、地震の被害による破損等が多くの部分に表れているようですね。被害がひどく、使えるような状況でないなら、まずは直接、賃貸人に相談してみてはどうでしょう。
賃貸人には契約の本旨に従った債務を履行する法的責任があります。例えば、雨漏りがしているなら修繕したり、設備が故障していれば修復したりして、契約通りに債務を履行する必要があります。
そういった交渉の中で、修復する代わりに場合によっては家賃の減額などで対応してくれるかもしれません。そういった意味で「減額請求もできる可能性はある」と思います。
しかしながら、その減額請求が当然にできる権利であるかと言えば、難しいです。例えば、法律で「〇〇に不具合があれば家賃を3000円減額できる」といった具体的な法律は(万一、あるなら申し訳ないですが)自分が知っている限りにおいてはありません。
賃貸借契約で賃貸人に求められているのは契約の本旨に従って債務を履行する責任であって、それをしなければ、債務不履行に基づく契約の解除や損害賠償請求等をされる可能性があるにすぎません。自動的に「少しでも不具合がある」=「家賃減額請求」とは法律的にはならないです。
以上のことより、まずは賃貸人と相談し、不具合の修復や場合によっては家賃減額交渉をしてみて下さい。賃貸人からすれば、できるだけ長い間入居してもらいたいはずですし、もし、相談者様が退去することになれば、次の入居者の募集をする前に家具の修復工事はすると思います。どちらにしてもするのであれば、先にしようと考えるのではないかと思います。
そういった話し合いができず、どうしても家賃を減額してもらいたいのなら、最終的に裁判による司法判断ということになると思いますが、コスト倒れになる可能性が高く、とても勧められたものではありません。訴訟をしても勝てるかどうかわからないうえ、勝っても家賃が少し下がる程度では、別のところに引っ越した方が金銭的にも精神的にもベターかと思います。