名義変更の費用 賃貸
現在ルームシェアをしており、私が結婚する事になりました。友人が世帯主で契約しており名義を私に変更したく連絡すると、名義変更の費用が家賃4倍程するとのことです。家賃が10万5千円ですが、保証料家賃100%、残り礼金等や費用にかかり40万前後とのことです。費用はかかるのは仕方がない事だと思いますが、自分なりに調べると家賃の1ヶ月分程が多いとありました。
管理会社に交渉したいのですが、その余地はありますでしょうか。
相談者様
費用が40万円前後ということですが、保証会社の保証料100%以外の明細が不明なので、管理会社と交渉できるか否かについては、明細の内容次第かと思われます。また、結婚をされるという相談内容から入居予定者は「相談者様と相談者様の配偶者」で、現在の契約者の方は出ていかれる、という前提で話をさせていただきます。
一般的に上記内容が前提であれば、権利関係者が完全に変更になるので、手続き的には権利関係者が変わらない単なる「名義変更」とは異なり、「解約」と「新規契約」ということになろうかと思います。
一般的な賃貸借契約の初期費用でかかる費用について
①
敷金
こちらは元々の敷金は元々の契約者に返還されるので、必ず必要で、継続入居を理由に交渉するのは非常に困難かと思われます。
②
家賃
こちらは実際の家賃に充当されるものなので、交渉対象にはならないかと思われます。
③
保証会社の保証料
こちらは賃貸借契約の債務者が変更になるので、必ず必要になります。また、代金の支払先も保証会社ですので、交渉は不可と思います。
④
ハウスクリーニング、鍵交換費用
こちらに関しては実際に行わないでしょうから、名目的に不要だと思われます。
⑤
火災保険
こちらは保険会社に要確認かと思います。保険会社によっては、同居人が残っている場合、名義変更できることもあります。ただ、解約すれば一部返金されるので、金額的メリットは少ないかと思います。
⑥
礼金
こちらは交渉の余地があると思われます。新規募集時の費用に充てられる場合が多いように思います。
⑦
仲介手数料
こちらが名目に含まれているかはわかりませんが、こちらも交渉の余地はあると思われます。
一般的に、入居者の出入りがあったとき、経済的に一番負担が大きくなるのは間違いなく「賃貸人」です。たいていは賃貸人負担の補修費がかかりますし、室内クリーニング代もほぼ足が出ます。また、新規募集にもコストがかかりますので、いくら早く入居者が見つかっても、ずっと継続して住んでもらっているより少なくとも家賃2~3か月分はマイナスになります。加えて空室期間があれば、その分マイナスが加算されます。
一方、管理会社は賃貸人との契約にもよりますが、出入りがあっても経済的には負担はなく、新規契約が入るときに賃貸人からいくらか報酬がでる契約の場合もあります。また、入居者が名義変更をする場合に仲介手数料として、満額請求することもあります。
明細がわからないので何とも言えませんが、請求される概ね40万円のうち、仲介手数料や礼金は交渉の余地が十分にあると思われます。礼金は上記に書いたように入居時にかかる募集コストの補填である場合が多いので、賃貸人や、場合によっては管理会社との交渉次第かと思います。
まずは必ず明細を出してもらいましょう。保証料を除く30万円のうち、多くが敷金や家賃前払い分なら難しいですが、手数料や礼金なら交渉の余地はあると思います。
賃貸人として、一番嫌なのは、問題のない入居者に出ていかれることです。新たに入居者を募集する場合、補修費などで持ち出しがでたりしますし、客付け業者にも報酬を出したりするので、いくら早く入居者が見つかっても最低でも2~3ヵ月分は見込み損が出るのがわかっているので、できるなら、これを避けたいです。
約40万円の請求とのことなので、概ね新規物件の契約と変わらないように思います。交渉前に他の物件も一度検討し、管理会社にその旨も伝え、大家さん(賃貸人)に礼金の減額を交渉してもらえないか、伝えてみるといいのではないかと思います。
賃貸人は出ていかれる方が経済的には損なので、交渉には応じてくれることが多いと思います。(管理会社は出ていかれても損がないので、必ず賃貸人に交渉してもらうようにした方がいいです。)