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賃貸締結前のキャンセル

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カテゴリ:賃貸

契約前のキャンセル 重要事項説明



★質問

担当の方とずっとLINEでやり取りしていて、申し込み、審査が通り契約の日程を決める際、指定曜日が土日ではなかったり、オーナーとの予定が合わず11月の3日に契約しに行く予定でした。

妹と2人で暮らす予定でしたが、妹がコロナになりまたリスケに。

その後重症化し、入院することになってしまった為キャンセルをしたいとお話ししたところ、キャンセル料がかかると仰せでした。

口約束や、合意の上であること、こちら側都合のキャンセルであることを指摘しています。

この場合キャンセル料はかかりますか?

また口約束と文面で残っている、お互いの合意の上で契約というものと宅建の35条だとどちらが優先されるものなのでしょうか?

現在重要説明事項を宅建士から説明されておらず、署名捺印もしておりません。

お手数おかけいたしますが、お力を貸していただけませんでしょうか?

 

 

相談者様

相談内容を読ませていただきました。

相談内容(「オーナーとの予定が合わず」等)を読んでいる限り、仲介業者がおらず、賃貸人と直接契約をするように読み取れたのですが、実際はどうなのでしょうか?

もし、相談者様の相談が、「仲介業者」を通した場合か、「賃貸人と直接」契約をする場合かによって、相談者様が主張できる内容も変わってきます。

契約の成立とキャンセルについては、弊社のホームページ(※)で、法律的な問題も含め、詳細をまとめを書かせてもらいましたので、もしよければそちらも参照下さい。

 

まず、大前提として、相談者様が「仲介業者を通して」賃貸人と契約をするのなら、宅建取引のプロである宅建業者を強く規制している宅建業法という法律の規制が「仲介業者」には及びます。この宅建業法は「契約の成立の前」に宅建業者に「重要事項説明」をすることや、成立後、いわゆる「契約書」を交付する義務を課したりなど、様々な手続き上の義務・責任を仲介業者に課し、賃借人を保護しています。

 ただし、この法律の規制は仲介業者を通している場合でも、また、賃貸人が宅建業者であっても、「賃貸人」は宅建業法の規制対象ではありません。ですので、とりわけ「賃貸人と直接」契約を結ぶ場合は、(宅建業法の規制のない)自由な契約を同じ立場で「賃貸人」と「賃借人」が結ぶことになります。(→とはいえ、「借地借家法」「消費者契約法」などその他の法律は及びます。)

 

以下、相談内容から「賃貸人と直接契約する」前提でのレスになります。

    「口約束や、合意の上であること、こちら側都合のキャンセルであることを指摘しています。この場合キャンセル料はかかりますか?」

→契約内容は双方が自由に決めることができますし、形式は法的には問題とされないので、口頭であれ合意しているのであれば契約は成立している可能性はあります。契約が成立しているのであれば、キャンセル料の取り決めもしているのであれば、合意の通り、支払う必要はあります。

 

    また口約束と文面で残っている、お互いの合意の上で契約というものと宅建の35条だとどちらが優先されるものなのでしょうか?

→口約束であれ、文面で残っているものであれ、お互いの意思表示がある(合意であれば)、原則としてどちらも優先順位なく有効です。(争いとなった場合、それを証明するための手段として文面が有利ではありますが、口約束でも録音などをしていれば同じです)

 宅建業法は前述の通り、賃貸人には及びません。それ故、法的には賃貸人には重要事項説明もする必要がありませんし、契約書も作成する必要はありません。(契約書に記名捺印も必要ありません) それ故、賃貸人と直接契約をしているのなら、誰に対しても業法違反を理由に責任は問えない(重要事項説明が終わってないから契約は成立していないとはいえない)と思われます。なお、民法の契約の成立を参考に載せておきます。基本的には法的には「双方の合意」があれば契約は成立します。(諾成契約)

 

(参考)民法522条「契約の成立」

契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。」(民法522条1項)

「契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。」(民法5222)

 

インターネットの掲示板など、最近は仲介手数料がかからないからと、契約を直接、賃貸人と行う人が増えているようですが、そのときは、仲介業者が間に入る時より、かなり注意して契約をする必要があります。宅建業者が仲介するときは、手続き的にも宅建業法の規制がありますし、仲介業者は賃借人側にたって、仕事をしてくれます。

基本的に日本の法律は「意思表示」、「合意」を非常に尊重しており、民法のみならず、例えば、合意があれば問題がなくても、合意がなくて「犯罪」になることもあるのは、だれもがご承知の通りです。

契約書に記名捺印は、契約後のトラブルの際の証拠にはなりますが、法律上、契約には必要ありません。日常の買い物も「売買契約」ですが、通常は意思表示だけですませてしまいます。

 

今回の相談者様の相談は賃貸人と直接やりとりをしているのなら、少なからずとも賃貸人が主張している内容は法的には一応、明文上の根拠があることかと思われます。ただし、実際に訴訟となり、司法判断となるとどの程度、認められるかは不明です。

 

以上は全て、法律上の話であって、実際には相手方次第かと思われます。

賃貸人の代金請求を拒み続けたのち、賃貸人が訴訟までするかというと、裁判で請求が認められるかは不明の上、コスト倒れを考えれば実際にはしない可能性が高いと思います。また、裁判で賃貸人が勝訴したとしても実際にその後も支払いを拒否すれば、強制執行となりますが、キャンセル料でそこまでするのはよほどの場合かと思われます。

 とはいえ、賃貸人の主張を拒み続けるのは法的な解決ではありませんので、実際は話し合いで妥協点を見つけ、解決をされた方がいいようには個人的に思います。

実際、どれくらいの期間、賃貸人が相談者様のために部屋止めをして、部屋を用意してくれていたのかはわかりませんが、少なからずとも賃貸人が(見込みの)損失を出しているのも事実かと思います。また、(本来なら契約するはずであった)契約日を都合で延期し、その後の相談者様の事情でキャンセルに至ってしまったことも、賃貸人が納得しない(キャンセル料を請求する)要因のようです。賃貸人のキャンセル料がいくらかはわかりませんが、妥協できるラインでの交渉ができるのであれば、その方が法的にも解決し、遺恨もなく、すっきりするようには思います。

 

以上は私個人の見解で、実際こちらの相談コーナーでは、他社様の意見も多数、寄せられており、一切、支払う必要がない、という意見も多数、書かれています。

過去のスレッドを少しめくれば、かなり同様の相談が載せられています。そちらでレスのある不動産屋に問い合わせれば、いい解決方法を教えてくれるかもしれません。(弊社にも電話相談が来たことがありますが、こちらの相談コーナーは各不動産業者が時間のある時に書き込みをしているだけで、相談を受ける契約をしているわけではありませんので対応してもらえるかはわかりませんが)

 

なお、仲介業者が入っているのであれば、上記内容とは違い、基本的にはキャンセル料は支払う必要がない可能性が高いと思われます。

以上になります。もし、賃貸人と直接、契約をされるのなら、今後はリスクも併せてご検討下さい。昨今、仲介手数料を割り引いてくれる不動産屋も多いです。

 

●契約の成立とキャンセルについて弊社でまとめたもの

//www.priceless-osaka.com/blog/entry-384776/

 

 

◆相談者様からのレス

大変参考になりました。仲介業者は挟んでますが、今回ご回答頂いた内容をそのままお伝えしたところ返信が返ってこなくなってしまいました。ありがとうございました!

 



◆弊社からのレス

 仲介業者がいて、キャンセル料の請求がきていたのですか。 仲介が入っている場合、通常、賃貸人が直接、賃借人に連絡してくることはないので、業者がキャンセル料を請求してきたのかと思われるのですが、それはなかなかですね。

 

 先レスでもお伝えしましたが、仲介業者に対しては、相談者様が書かれている通り、宅建業法35条で「契約成立前にしなければならない重要事項亜悦明が終わっていない」ことを理由に、契約の成立を否定できます。また、そもそもですが、宅建業者が契約の成立前に「申込金」「預り金」等、いかなる名目でお金を預かっていたとしても。契約が成立しなければ、返金をしなければならないことは宅建業法、及び施行規則で定まっています。

 さすがに業者であれば、その法律を知らないということはないと思われますので、(賃貸人ではなく)仲介業者自体がキャンセル料を請求していたのだとすると、それは法的にかなり問題です。

 

 契約が成立していなければ、本契約に関して法的な拘束力は何も生じていませんので、賃貸人に対してもキャンセルに関して特別に何らかの取り決めに合意しているのでなければ、法的には支払う必要はありません。

ただし、契約の成立に関しては、賃貸人に対して必ずしも「不成立」であることを主張できるかどうかは、(民法522条という明文を根拠に成立していると主張される可能性もあるので)争いになれば最終的には司法判断かと思われます。

 

 成人の年齢引き下げに伴い、契約に関しても若者向けのわかりやすい資料が作られています。「契約自由の原則」で検索すれば、「法務省説明資料―消費者庁」というものがあり、マンガとともにわかりやすくどの段階で法的に契約が成立するか、書かれていますので、もしよければそちらも見てみて下さい。

 


 


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