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賃貸契約の成立とキャンセルについて

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カテゴリ:賃貸物件関連

賃貸物件の申し込みの際、「キャンセル」について、お問い合わせを受けることがあります。また、弊社も利用させていただいている「いえらぶ」さんの「不動産相談」でもキャンセルや申し込み金等についての質問がいくつも寄せられています。

 そして今回、最大のテーマにしている「契約の成立」は誤解も多く、非常にトラブルが多い問題ですので、後ほど、詳細を書きますがご注意下さい。

 

まず、賃貸の場合、「預り金」や「申込金」という形で、宅建業者が受け取ったお金は、「契約の成立」前にキャンセルした場合、宅建業者は返金を拒否してはいけないことになっています。

 具体的には宅建業法第47条で「業務に関する禁止事項」が定められており、その施行規則の中に

「宅地建物取引業者の相手方等が契約の申し込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。」

(→宅地建物取引業法施行規則 第16条の122号) 

という条文があります。

 ただし、こちらの規定は宅建業法であり、規制対象は仲介業務を行う宅建業者であります。それゆえ、申込金等の支払いが大家になされた場合等は規制の対象とはなっていませんので、注意が必要です。

 

そして、今回最大のテーマにしている「契約の成立」に関しては、様々なトラブルがあり、今回、私の方でいろいろと調べてみました。契約が成立しているかどうかは、キャンセルができるかどうか、の問題でもあり、成立していれば、初期費用に加えて、解約金等の支払いの可能性も出てくるので、申込者にとっては大変大きな問題です。

 

そもそも、今回、私が「契約の成立」について調べてみようと思ったのは、「いえらぶ」さんの「不動産相談」コーナーの中で、他の不動産業者さんがつけているレスの中に、私が認識している「契約の成立」に関して、大きな相違があったからです。

 業者さんの相談レスの中に「契約書に記名捺印」がすることが「契約の成立」だと誤解させるような記述が何点も見られ、いくつかのものは業者さん自身もそう思われているようにも感じたからです。

 

 民法で言えば、賃貸借契約は「諾成契約」といって、簡単に言えば「双方の合意」で契約は成立してしまいます。口頭でももちろん成立しますし、文書等に記名捺印することを成立の要件とはなっていません。ですから、賃借人が申し込みをし、賃貸人が承諾をした段階で「契約が成立した」と言える可能性が出てきます。

 「可能性」というのは、実際にどの段階で契約が成立したかを判断するのは形式的な判断の線引きがないため非常に難しく、実際の裁判では個別案件の中で成立時期を司法が判断するからです。少なからずとも訴訟もあり、つまりは法律の専門家である弁護士でも主張が分かれ、最終的な判断は司法に委ねられている問題だからです。

 ネットで判例を検索してみると普通借家のものは見つけられませんでした。これは普通の借家の場合、金銭的に訴訟になりにくいからと思われます。テナントのものは数百万円のものもあるのでいくつか見つけられましたが、いずれも個別に判断されており、一律の判断基準ではないように思われました。私がネットで見たものは「契約書」に記名捺印した段階が「合意」と判断されたものがおおかったように思いますが、テナントは賃貸の申し込みを入れた後、業種、運営の問題や原状回復、看板の設置方法等、商談期間があり、条件面を詰めて契約するのが通常です。それに対して、一般住居の賃貸借契約は条件面の話し合いをすることはまれで、したとしても多くは敷金礼金家賃などの金銭面やペット等の許可の問題など、申込前に行うことがほとんどで、多くの場合、大家さんが出された条件を承諾の上で申し込みを行うように思います。それ故、契約の成立である「合意」の形成は「契約書に記名捺印」より前と判断される可能性が残されています。

 ただ、あまりにも多くの不動産業者さんが「契約書の記名捺印」を契約の成立と考えているようなので、もしかすると私が知らないだけで、ガイドラインもあるかもしれないと思い探してみました。ガイドラインは、不動産業を管轄している国土交通省がいくつか出しており、例えば「原状回復のガイドライン」など、我々、不動産業者が業務を行うにあたり、指針が定められたものです。しかし、ネット検索では「契約の成立」に関するものは見つけることができず、直接、国土交通省に問い合わせをしてみました。しかし、部署がたくさんあるらしく、問い合わせをした部署ではわからず、「都道府県によっては定めているところがあるかもしれないがわからない」とのことで、現時点では契約の成立に関してのガイドラインの存在は不明です。

 多くの不動産業者が契約の成立を「契約書に記名捺印」としているのは、宅建業法で「重要事項説明」や、いわゆる「契約書」の交付を定めているからだと思われますが、これはあくまでも仲介業を行う業者に関するもので、賃貸業にこの規制はあてはまらず、それ故、契約の当事者である「賃貸人」と「賃借人」に対する直接の影響はわかりかねます。

 弊社が所属している「宅建協会の大阪本部」にも確認したところ、過去にも同様の相談があったらしく、概ね、私が最初にお伝えした解釈(契約の成立は個別合意時期を判断で、契約書に記名捺印ではない)の通りだとのことでした。

 

この続きは、本日、弁護士の無料相談の予約をしましたので、後日、掲載します。



★弁護士相談後の追記

やはり概ね自分の解釈と同じ話になりました。

無料相談に来られていた弁護士先生は実際に、いえらぶの不動産相談に来ていた相談を直接お見せしたところ、初期費用の入金時を合意(契約の成立)と考えているようでいたが、もちろんこれが決定というわけではありません。あくまでも訴訟になった際の「可能性」ということです。

結局、弁護士もクライアントの依頼を受けて、依頼内容に従って「主張」をぶつけるわけで、形式的な線引きのラインが決まっていない以上、最終的には司法判断になるのでしょう。


いえらぶの相談を見ていますと、毎週のように、申し込みのキャンセルに関しての相談が寄せられています。

不動産取引を生業としている不動産業者でも契約の成立を「契約書の記名捺印」と形式的な線引きだと解釈していることが多いので、一般的な人はなおさらのことかと思います。

しかし、その一方、法律に詳しい方は契約の成立を大家の承諾後すぐだととらえ、知らない申込者とのトラブルが絶えません。

人の死に関する告知義務や原状回復もトラブルが多い問題ですが、こちらの2つに関しては、宅建業の監督官庁である国土交通省からガイドラインが出ました。

契約の成立に関してもトラブルの量を考えれば、ガイドラインを出してもらいたいものです。







 

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