中古物件をより安心して購入する方法として、インスペクションと瑕疵保険というお話を今までしてきました。実際のところ、売買の現場でインスペクションがどのような状況であるのか、お話しようと思います。
先述の通り、インスペクションは2018年4月より、インスペクションの実施有無は売買の際に買主さんに対して説明する義務がありますが、インスペクション自体を実施しなければいけない、というわけではありません。実際のところ、売りに出されている物件で売り主さんがインスペクションを実施している物件もありますが、全体でみるとまだまだ少数です。
インスペクションが実施済みだと、買主さんが安心して購入できる=物件が売れやすい、というメリットも売り主さん的にもあるのですが、まだまだインスペクション自体が世間に浸透していないせいか、インスペクションが実施されている売り物件は現時点ではそう多くはありません。
購入を検討している買主さんがインスペクションの実施を希望する場合、売り主さんに許可をもらう必要がありますが、その場合、インスペクションにかかる費用は買主さんが負担することになります。
インスペクションにかかる費用は物件の大きさや、検査する箇所(保証を受ける箇所)によっても異なりますが、だいたい4万円くらいから10万円くらいです。
インスペクションを実施して問題がなければ、そのまま物件を購入し、保険に入り保証を受けることができますが、何か問題があった場合、どうするか悩ましいところです。
不具合に対して保証する保険なので、不具合があるままでは保険に入ることができません。どうしてもその物件が購入したいのなら、そのままの状態で保険に入らずに購入するか・・・・どうしても保険に入りたいのなら、不具合箇所を補修して、再検査&合格する必要がありますが、補修費用をどうするのか・・・・など、売り主さんと条件交渉することになります。
売り主さんによっては補修して保険に入れる状態にしてもらえる場合もあるかもしれませんが、売り主さんが不動産業者でなければ、売る物件にお金をかけてくれるかどうかは難しいところです。
結果的に購入しないのであれば、インスペクションにかけた費用は掛け捨てすることになるので、インスペクションするかどうかは買主にとって悩ましいです。